ジュエリーの改作・リフォーム
- 2022.11.22
- スタッフブログ
チャームスジュエリー職人兼オーナーの柘植です。
さっそくですが、ジュエリーの改作・リフォームをお考えの方は多いかと思います。
「{デザインが古くなった or サイズが合わなくなった}ため、新しいデザインに作り替えることは可能かどうか」など多くのご相談を受けます。
今回は、ジュエリーの改作・リフォームについて、これまでにご依頼いただいた経験から2回にわたってご紹介させて頂きます。
まず、改作・リフォームとは、
- 貴金属:金やプラチナなど
- 中石(なかいし):中央にありメインである
- 脇石(わきいし):サイドに使用されている、小さなダイヤモンドなど
を使用し、新しいデザインに作り替えるサービスです。
必要であれば、材料を追加したり逆に1つのジュエリーを2つに分けたりと、改作・リフォームには様々な作り替えがあります。
改作・リフォームには、次のような費用がかかってきます:
- デザイン料:資料やデータを基にデザインを行う
↓ - 設計代:物理的に設計を行う
↓ - 造形、鋳造(ちゅうぞう)代:設計通りに鋳型となるワックス素材やゴム型を作る。鋳型に溶かした貴金属を流し込み、冷やし固める
↓ - 材料代:ダイヤモンドなどの宝石(デザインに応じます)や貴金属などを揃える
↓ - 製作費:貴金属の微細な表面処理を行い、光沢を出す(仕上げ)。貴金属に宝石を留める(石留め)
(時にはレーザーマーキング代なども記念日などを入れる際にかかってきます。)
これらを見ると、改作・リフォームは“決してお値打ちなものではない”ということです。
特に、「デザイン料」や「製作費」は、改作・リフォームであっても一(いち)から製作するため費用がかかります。つまり、高額なイメージのあるオーダージュエリーと、費用は全く変わりません。
実際のところ、お値打ちに感じることはオーダージュエリーの方がしばしばあります。
(ご相談をお受けした際のお話です。)
ただ、改作・リフォームは、「思い出」のある宝石を受け継いでいくといった目的があります。
その点では、オーダージュエリーとは違った用途があります。
また、「材料代」はご想像いただける通り、確かにそれほどかかりません。
つまり、耐久性の高いジュエリーで宝石を受け継いでいくといった明確な目的があり、「永く使用する」ことを考えて作られたジュエリーは結果的にお値打ち感があるということになります。
ところで、私達は金やプラチナなどの貴金属を、「地金(じがね)」と呼びます。
当店で行う改作・リフォームには、溶かした貴金属を鋳型に流し込み冷やし固める「鋳造」の際、質の良い地金を使用するために費用がかかります。
なぜそのように「鋳造」を行うのかというと、出来上がる地金の質や仕上がりの状態(具合)の良さは、製作中に見ても一目瞭然だからです。
それらを踏まえて、もしお手持ちのジュエリーを「そのまま溶かして改作・リフォーム」する場合は、次の点に気を付けなければいけません:
- 地金の24金を18金にするために混ぜる銀(Ag)や銅(Cu)の配分(=配合)などは、実際のところ、ジュエリーを製作するメーカーによって異なる
- ジュエリーの部品同士の溶接に使用する材料(=ロウ材)が地金に混ざる
(ロウ材は、職人によって配合が全く異なります)
そのように再利用する地金には、曲げる際や仕上げ(光沢を出す)などの際にヒビが入ったり、仕上げても光沢のない地金になってしまうなどの問題が生じます。
結果的に、質の良い地金にはならず、「永く使用するジュエリー」には不向きであるように感じます。
当店の工房では、不純物を取り除き純金及び純プラチナにする精錬(せいれん)を行っております。
お預かりした地金のすべてに精錬を行っており、地金にヒビが入ったり光沢がないなどの問題は、製作途中に生じておりません。
(今回のブログは長くなるため、ここまでにさせていただきます。後半のブログも合わせてぜひご覧下さい!)
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